アンコール・トムはアンコール・ワットの北側にある遺跡で、地図で見るとアンコールワットの4倍くらいはあるようです。
アンコール・トム(「大きな都」の意)は、12世紀末にジャヤーヴァルマン7世が建設したクメール王朝の城塞都市遺跡です。周囲を環濠と城壁で囲み、中心に四面仏で知られるバイヨン寺院を配置。15世紀にアユタヤ朝の侵攻で放棄され、後に再発見された歴史を持ちます。
南大門
遺跡の南側、南大門から入場します。南大門までは濠にかかった橋を渡ります。
門へ続く橋の両側には、ヒンドゥー教の天地創世神話「乳海攪拌」をモチーフにした石像が並びます。左側に54体の神々(デーヴァ)、右側に54体の阿修羅(アスラ)が、巨大な蛇神ナーガ(蛇神)の胴体を引っ張る姿が表現されています。


バイヨン寺院
バイヨン寺院は、12世紀末にジャヤーヴァルマン7世が建立した大乗仏教の国寺で、観世音菩薩の微笑みを模した50基以上の塔の「四面像(クメールの微笑み)」が特徴。



バプーオン
バプーオンは、バイヨン寺院の少し北側にあります。11世紀中頃にウダヤーディチャヴァルマン2世が創建した、シヴァ神を祀るヒンドゥー教の山岳型寺院だそうです。


ピミアナカス寺院
バプーオン寺院のすぐ北側にピミアナカス寺院があります。
10世紀末にラージェンドラヴァルマン2世によって着手され、11世紀初頭にスーリヤヴァルマン1世によって完成したとされています。ヒンドゥー教寺院です。

象のテラス
象のテラスは冒頭に記したジャヤーヴァルマン7世が築いた高さ約3m、長さ300m以上の巨大な基壇です。ピミアナカス寺院の東側に位置し、軍隊の閲兵式や公式儀式、王の接見の場として使われました。側面に象の行進が彫られた見事なレリーフが見られます。


ライ王のテラス
ライ王のテラスは、ジャヤヴァルマン7世によって築かれた石造りのテラスです。
テラスの上に安置されていた像が、指がなく、変色していたことから「ハンセン病(癩病:らいびょう)にかかった王」の伝説と結びつき、そう呼ばれるようになりました。現在、この像はヒンドゥー教の死の神「閻魔大王(ヤマ)」であることが判明しており、現地にあるのはレプリカで、本物はプノンペン国立博物館に所蔵されています。
壁面が二重構造になっているのが最大の特徴です。外側の壁の奥に古い内側の壁が隠れており、その隙間は迷路のような通路になっています。壁面には神々や阿修羅、ナーガ(蛇神)などの精緻なレリーフがびっしりと刻まれています。


